山陽鉄道(現、JR山陽本線)が糸崎~広島間に
開通したのが、明治27年(1896)。
同30年には広島~徳山間が開通し、設置駅に
横川、西広島(己斐)、宮島口、大竹などとともに
廿日市駅の名があった。
廿日市駅は明治30年(1899)、山陽鉄道広島~徳山間開通時に設置された、100年余の伝統を持つ駅舎である。霜雪を経る中で改築を重ね、往事の面影は今、跨線橋に残されるのみ。
周辺は町中の駅にも似ず、ゆったりとした時間の流れを感じさせてくれる落ち着いた雰囲気。終戦後、上り線ホームに沿ってたくさんの桜が植えられた。以来大きく育ち、現在23本が残る。
春になれば可憐な花々を芽吹かせ、車窓越しに乗客の目を楽しませている。